庭の千草

童謡・唱歌・流行歌全集より -8-

20161128.jpg 
そろそろ庭に咲く花も少なくなり 

健気に咲いている白菊の花を見ると

明治17年に『小学唱歌集』に載せられた 

『庭の千草』をふと思い起こします




一般的には 冬枯れの庭に咲き残る白菊を歌ったものと思われているが

実は 伴侶に先立たれた人が

健気に生きる姿を歌ったものなのだそうです





庭の千草 小学唱歌集

 庭の千草も 虫の音も   かれて淋しくなりにけり

 あゝ白菊や あゝ白菊   ひとりおくれて咲きにけり


 露にたわむや 菊の花   霜におごるや 菊の花

 あゝあはれあはれ あゝ白菊

 人の操も かくてこそ





初冬の庭に咲く 白菊のあわれを歌っているが

表面的な自然描写の背後に 人の心情描写が隠されている

心情を直接的に露骨に表現するのではなく

自然に託して 間接的に奥ゆかしく表現する

このような重複構造を読み解かなければ

その歌を本当に理解出来ないといいます




そんな歌を小学唱歌として なぜ歌われてきたのだろう?



それは同音異義語の掛詞などによる大和歌の重複構造を

現代短歌が切り捨ててしまったため 

隠された意味に触れることがなくなってしまったという


このことが 「うたことば歳時記」 というブログで

詳しく述べられていた

参考 「庭の千草」の秘密




blogramのブログランキング

夕日

童謡・唱歌・流行歌全集より -7-

20161103.jpg 

現在まであせることなく歌い継がれている

童謡の「夕日」

夕日を見るとつい口ずさんでしまう





「夕日」は 童謡詩人の葛原しげるの詩に

大正10年(1921年) 室崎琴月が曲を付けた童謡

「ぎんぎんぎらぎら・・・」で始まる詩は

最初 「きんきんきらきら」であったが

小二の長女に 『きんきんきらきら』は朝日で

夕日は『ぎんぎんぎらぎら』でしょう と言われて

変更したという逸話もある



夕日  葛原しげる

ぎんぎんぎらぎら 夕日が沈む
ぎんぎんぎらぎら 日が沈む
まっかっかっか 空の雲
みんなのお顔も まっかっか
ぎんぎんぎらぎら 日が沈む


ぎんぎんぎらぎら 夕日が沈む
ぎんぎんぎらぎら 日が沈む
カラスよ お日を追っかけて
真っ赤に染まって 舞って来い
ぎんぎんぎらぎら 日が沈む





blogramのブログランキング

童謡・唱歌・流行歌全集より -6-

20161008.jpg 


昭和11年に発行された 「童謡・唱歌・流行歌全集」 を見ていると

「月」 を題材にした歌が意外と多いことに気づく

「雨降りお月」 「荒城の月」 「月の砂漠」 「月夜の兎」

「三日月様」 「十五夜お月さん」 「新月抄」 「月の浜辺」

「月よりの使者」 「月は無情」 等々

題名に「月」が付いているものだけでもこんなにある

歌詞の中に出てくるものまで数えると どれだけあるのだろう

日本人は 月に思いを寄せることが多いようだ



「三日月様」  武田幸男

三日月さま こんばんは 銀の船 小船

ギッコラギッコラ 漕いで

夢の国へ 参りませう




「十五夜お月さん」  野口雨情

十五夜お月さん ごきげんさん

ばあやはおいとま とりました


十五夜お月さん 妹は

田舎へもられて 行きました


十五夜お月さん かかさんに

も一度わたしは あひたいな





blogramのブログランキング

待ちぼうけ

童謡・唱歌・流行歌全集より -5-

20161003.jpg 


公園で古い木の株を見ると

幼い日に 母がよく歌って聞かせてくれた唄を思い出す

ちょっと歌ってみたが 結構覚えているものだ



「待ちぼうけ」 北原白秋

待ちぼうけ 待ちぼうけ ある日せっせと野良稼ぎ

そこへウサギが飛んで出て ころりころげた木の根っこ


待ちぼうけ 待ちぼうけ しめたこれから寝て待とか

待てば獲物は駆けて来る ウサギぶつかれ木の根っこ


待ちぼうけ 待ちぼうけ 昨日鍬とり畑仕事

今日は頬杖日向ぼっこ うまい切り株木の根っこ


待ちぼうけ 待ちぼうけ 今日は今日はで待ちぼうけ

明日は明日はで森のそと ウサギ待ち待ち木の根っこ


待ちぼうけ 待ちぼうけ もとは涼しいきび畑

今は荒れ野の箒草 寒い北風木の根っこ



blogramのブログランキング

子供の世界 (お山の大将)

童謡・唱歌・流行歌全集より -4-

20160913.jpg 


昭和の童謡唱歌の中には 暗くなるまで外で遊ぶ

元気な子供たちの歌がたくさんある

最近の子供は ゲームや塾通いで

外で遊ぶ事が少なくなったと言われるが

こうして集まって戯れる姿を見ると

昔も今も 子供の本質は変わらないと安心する



「お山の大将」  西條八十

お山の大将 おれひとり 

後から来るもの 突き落とせ

ころげて落ちて また登る 

赤い夕日の 丘の上

子供4人が 青草に

遊び疲れて 散りゆけば

お山の大将 月ひとつ

後から来るもの 夜ばかり




blogramのブログランキング

ビクトロラ

童謡・唱歌・流行歌全集より -3-

20160727.jpg 


最近紹介している昭和11年に発行された雑誌の付録

「童謡 唱歌 流行歌 全集」の表紙裏に

興味深い広告が掲載されている

ビクターの蓄音機J1ー35型 「ビクトロラ」

金35円也 !

純な鋭い感性と何事もそのまま真似たがる

お子様に聞かせる蓄音機はビクター

と 謳ってる


そういえば子供の頃 この形とは違うが

手回しの蓄音機が近所の家にあって

時々聞きに行ったことがある

ネジが緩んでくると 音楽もだらだら延びてくるので

いそいでハンドルを回してネジを巻く

あのハンドルを自分で回してみたかったのに

子供には触らせてもらえなかった

考えてみれば電気を使わない 省エネハイテクだったなぁ・・・・


blogramのブログランキング

谷間のともしび

童謡・唱歌・流行歌全集より -2-

谷間のともしび


昭和9年に流行した 「谷間のともしび」

原曲は1930年代に発表されたアメリカ歌曲

『When It's Lamp Lighting Time in the Valley』を

東海林太郎が日本語でカバーしてヒットした

学校の音楽で習った記憶があり

単にふるさとを懐かしむ内容だと思っていたが

原詞では 犯罪を犯して逃亡中の男が主人公で

「もうお母さんにはあの世でしか会うすべがない

 お母さんはそんなことを知らずに

 おれの帰りを待ち続けているだろう」といった

悲しい歌なんだそうです (;_;)



blogramのブログランキング

童謡・唱歌・流行歌全集

童謡・唱歌・流行歌全集より -1-

20160622.jpg

P6203852.jpg 


田舎の実家を整理した時出てきた本

昭和十一年一月一日発行 婦人倶楽部第17巻第一号付録 とある

昭和11年といえば 二・二六事件の年だ

かなり保存状態は悪いが 約240曲くらいが掲載されている

巻頭に

「いつも朗らかな気分 いつも若々しい気持ちで婦人が暮らすことが出来ましたら

どんなに家庭が、世の中が明るくなるでせう (中略)

時にはかういふ家庭を明るくする方面のことも考へたいと 今度いよいよ

この大付録を計画いたしました (中略)

大犠牲を払って人気画家を総動員し 1頁残らず配した美しい興味ある挿絵は

各方面の歌をほとんど網羅したことと共に この種のものとしてかってない

完成されたものと信じます (後略)」 と記されている


確かに 戦前の歌も挿絵もとても興味深い

これらは少しづつ このブログでも紹介して行こうと思う


blogramのブログランキング
アクセスカウンター
検索フォーム
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
プロフィール

yosshy

Author:yosshy
 
なんでもない空間も自分なりの感性でトリミング
単身老人の他愛もないつぶやき

カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
最近のトラックバック
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
[ジャンルランキング]
写真
3308位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
風景
1159位
アクセスランキングを見る>>
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

あなたにお勧め商品